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健康診断で発見された「肝血管腫」肝癌のリスク、症状、治療法

肝血管腫ができる理由は?肝血管腫と肝癌、超音波、症状、サイズや治療法について

2024-08-01

健康診断で発見された「肝血管腫」肝癌のリスク、症状、治療法

肝血管腫とは?

血管は肝臓を形成する複数の組織の一つです。肝細胞、胆管、血管などが所定の配置で規則正しく並ぶことで、正常な肝臓の構造が成り立ち、機能が果たされます。

しかし、規則正しく並ばず、肝臓の血管組織がまるで先天性の奇形のように塊を作っている状態を肝血管腫と呼びます。 血管腫とは、血管組織が異常に増殖、拡張し塊を形成することを指し、肝臓で最もよく見られます(皮膚や消化管など他の部位にも発生することがあります)。この塊を形成する血管組織は、悪性腫瘍、つまり癌を形成する組織とは異なり、正常な細胞で構成されています。

肝血管腫の原因は?

肝血管腫の発生原因は正確には明らかにされていません。 主に女性に多く見られ、妊娠中や女性ホルモンであるエストロゲンを投与するとサイズが大きくなることがあるため、血管腫の発生や成長には女性ホルモンが関係していると考えられていますが、直接的な関係は明確にされていません。

肝血管腫と肝癌

肝血管腫の症状は?

血管腫のほとんどは小さく無症状であり、健康診断の超音波検査で偶然発見されることが多いです。 血管腫が大きかったり複数ある場合には、痛みなどの症状を引き起こすことがあります。直径が4cmを超えるものを巨大血管腫と呼び、これによる症状は以下のようなものです。

  • 腹痛または腹部の不快感
  • 食事を少し摂るだけで腹部の満腹感を感じる
  • 吐き気や嘔吐
  • 腹部の他の臓器を押したり押し出すことによる症状の誘発

これらの症状は数ヶ月または数年にわたって続くことがあります。稀に、大きな血管腫が破裂することがあり、その場合には激しい痛みや腹腔内出血が発生し、重篤な場合には生命に危険を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

肝血管腫の診断法は?

肝血管腫の診断にはいくつかの方法があります。 腹部の超音波検査では、周囲よりも明るく見える塊を通して肝血管腫を診断する比較的簡単な方法です。さらに詳細な検査としては、コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像(MRI)があります。これらの方法でも診断が難しい場合には、血管造影や組織検査が行われることもあります。

慢性肝疾患がある場合や肝癌、悪性腫瘍の病歴がある場合には、悪性腫瘍が肝臓に転移して肝血管腫と似た外見になることがあるため、臨床的な追跡検査が必要です。

肝血管腫の超音波検査

肝血管腫の治療法は?

肝血管腫はほとんどの場合治療が不要ですが、血管腫が大きく腹部の膨満感、腹痛、出血などの症状を引き起こす場合には治療が必要です。 血管腫が肝臓の一方に偏っている場合には、手術で除去することができます。切除が困難な場合には、放射線治療や血管腫に供給される血管を閉塞させる塞栓術を用いて治療します。極めて稀ですが、血管腫が破裂した場合には肝動脈塞栓術や結紮術を行い出血を止めた後、外科的手術を行うこともあります。

肝血管腫が肝癌になることはありますか?

血管腫は良性腫瘍であり、ほとんどの場合症状がなく、悪性腫瘍、つまり癌に進行することはありません。 血管腫はほとんどが健康に影響を与えたり、生命に関わることはありませんが、肝臓の超音波検査などの画像検査によって肝癌などの治療が必要な疾患と区別することが重要です。

ただし、非常に稀に腫瘍内の血管で血液が凝固する血栓や、血管壁が損傷し血液が血管外に漏れ出す出血が生じることがあり、この場合には突然の腹痛が発生することがあります。また、血管腫が破裂して腹腔内出血が起こる場合には、緊急処置が必要になります。

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