血管腫とは?
血管腫は血管組織が集まってできる腫瘍を指します。 血管の過剰な増殖によって生じる良性腫瘍で、血管の内壁を構成する細胞が増殖して発生し、正常な血管と異常な血管の増殖によって腫瘍が形成されます。
血管腫は癌に進行することはなく、皮膚や肝臓、腎臓など体のどこにでも生じる可能性があります。大きさや形も種類によって異なります。
血管腫の原因
血管腫の原因は正確にはまだ解明されていません。しかし、 遺伝的要因やホルモン、出生時の低体重など、さまざまな要因との関連性 が指摘されています。
血管腫は1歳未満の乳児に最もよく見られる腫瘍です。乳幼児に生じる血管腫は主に「いちご状血管腫」と呼ばれます。いちご状血管腫は男児よりも女児に多く見られるとされています。また、未熟児や低体重出生児に多く発生することが確認されています。
老化による「チェリースポット」の場合、 老化だけでなく遺伝や毛細血管の過剰な増殖がチェリースポットの発生に影響を与えることが知られています。 チェリースポットは1mm程度の小さく突起した赤い点を指します。
血管腫の症状
いちご状血管腫とも呼ばれる乳児血管腫は、生まれてすぐ、または出生後数週間内に皮膚に赤い斑点のように現れます。周囲よりも突起して見えるのが特徴です。 痛みはなく、生後8〜12ヶ月間急速に成長し、その後しばらく停滞状態が続きます。その後、5〜10年かけて徐々に小さくなっていきます。
血管腫の治療
皮膚に生じる血管腫は悪性に進行することはないため、必ずしも除去する必要はありません。 ただし、定期的に診察を受け、大きさや他の合併症がないか確認しながら経過を見守る必要があります。
血管腫の約20%は重大な合併症が発生する可能性があります。血管腫によって傷ができ潰瘍が生じる場合や、血管腫が目や耳、鼻、喉を塞いで視力や聴力、呼吸に問題が生じる場合。また、美容上の理由で除去したい場合 には、別途治療が必要です。
また、 血管腫が大きくなりすぎて心機能を低下させたり、胃腸に出血が生じたりする場合には、緊急な治療が必要です。
血管腫の薬物治療
以下のような場合には、大量のコルチコステロイドを使用する全身療法が適用されます。
- 血管腫が首や顔にあり、見た目に影響を与える場合
- 血管腫が大きく、頻繁に出血や潰瘍、感染を引き起こす場合
- 血管腫が呼吸や視力、聴力などの生理機能に影響を与える場合
- 血小板減少による凝固障害がある場合
- 血管腫によって高出力心機能不全が発生し、状況が複雑になる場合
血管腫の外科的手術治療
皮膚にある血管腫を内科的な方法で治療しても効果がない場合、生存に重大な影響を与える視力などに問題がある場合には、外科的に切除することが考慮されます。
血管腫の冷凍療法
沸点が-195.8℃の液体窒素の金属端を1〜3分間血管腫に当てるか、-60℃の液体炭酸ガスの金属端を2〜5分間血管腫に当てる冷凍療法を行うことができます。
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