理由もなく全身が痛む？線維筋痛症の可能性があります。線維筋痛症の症状や原因、治療法

線維筋痛症は、特定の原因なしに体のさまざまな部位に痛みを感じたり、疲労、睡眠障害および認知障害などが3か月以上続く疾患

です。線維筋痛症はすべての年齢層で発生する可能性がありますが、特に30～50代の中年層でよく見られます。

女性の発生率は男性よりも約9倍高く、これは男女間の感覚を担当する脳の構造と感受性の違いによると推測されています。

線維筋痛症の原因は明確には解明されていませんが、痛みに対する感覚異常が原因とされています。

線維筋痛症の患者の中枢神経系ではセロトニンの代謝が減少し、成長ホルモンの分泌も減少しており、自律神経系にも異常があることが判明しています。

線維筋痛症の患者は、正常な人々が痛みとして感じない刺激を痛みとして感じますが、これは痛みとは関係のないさまざまな刺激に対して体が適切に処理できないためだと考えられています。また、うつ病、不安障害、健康不安などの精神的な症状が伴うことがあり、線維筋痛症の患者の約30％が精神科的な症状を示すとされています。筋肉や腱、靭帯などに客観的な異常は見られません。

線維筋痛症の主な症状は痛みです。

体の一部から始まりますが、最終的には全身に広がり、主に下背部痛や首、肩の痛みを訴えます。鈍痛や体がこわばった感じがしたり、深い痛みを感じることがあり、個々によって症状は異なります。寝起きに体の筋肉や関節がこわばることもあります。

線維筋痛症のもう一つの特徴は疲労感です。

しばしば疲れを感じ、寝ても疲れが取れず、睡眠中に何度も目が覚めます。これらの症状により頭痛、抑うつ、記憶障害などを訴えることもあります。また、正常な人々が痛みを感じない部位に過敏に痛みを感じる圧痛点があります。このような線維筋痛症はストレスや感染症などの内科的疾患、手術などにより引き起こされることがあり、過敏性腸症候群、過敏性膀胱、片頭痛などを伴うことがよくあります。

線維筋痛症は、3か月以上全身の筋骨格系の痛みを訴え、診察時に18か所の特定の身体部位のうち11か所以上に圧痛を感じる場合に診断されます。

しかし、すべての線維筋痛症患者がこの基準に完全に一致するわけではありません。ある人は圧痛点の数が少ないこともあり、特定の部位に痛みを強く訴えることがあります。筋骨格系の検査および神経学的検査では異常は見られません。

線維筋痛症の検査で炎症値や筋酵素値、甲状腺値などに異常がある場合、リウマチ性多発筋痛症や炎症性筋疾患、甲状腺機能低下症など他の疾患との鑑別が必要です。

線維筋痛症の治療は、睡眠障害と痛みの緩和を中心に運動療法および薬物療法を行います。

線維筋痛症の予後は患者によって非常に異なるため、症状が疑われる場合は診断を受け、適切な治療を通じて早期に症状を改善することが推奨されます。

筋肉をほぐすために運動を通じて心血管系の機能を向上させることが重要です。ストレッチ、姿勢矯正、マッサージ、ヨガなどの物理療法やウォーキング、自転車、水泳などの有酸素運動を推奨します。初めは痛みを強く感じるかもしれませんが、耐えながら続けることが重要です。

痛みを軽減し、睡眠障害を緩和するために鎮痛剤や抗うつ薬を使用し、圧痛点に局所注射を行うこともあります。

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