停留精巣とは?
停留精巣とは、胎児期に精巣が腹腔内から陰嚢へ完全に下降せず、腹腔や鼠径部などの異常な位置にとどまっている状態
を指します。通常、精巣は胎児期に腹腔内にあり、徐々に下降して陰嚢へ移動し、出産時には陰嚢内に位置するのが正常です。しかし、何らかの原因で陰嚢まで下降しない場合、停留精巣が発生します。
精巣で精子を形成する細胞は温度に非常に敏感で、腹腔内よりも1.5~2℃ほど低い陰嚢内に位置することで正常に機能します。そのため、停留精巣が治療されずに精巣が腹腔内にとどまると、正常に精子を生産できなくなります。
停留精巣が生じる原因は何ですか?
停留精巣の原因はまだ明確には解明されていません。
男性ホルモンの異常によって精巣が正常に下降できないという説や、鼠径管や精管、陰嚢などの構造異常が関与していると推測されていますが、確かな証拠はまだありません。
また、この疾患は
尿道下裂や外部性器の不明瞭さを伴う性分化異常
など、多くの先天性奇形と一緒に見られることが多いです。
停留精巣は
満期産児の約3%に見られる
と報告されています。
未熟児、低出生体重児、双子
では発症率が高いとされています。全患者の約70~77%は、生後3ヶ月までに精巣が自然に陰嚢内に下降するため自然治癒が期待できますが、生後12ヶ月以降になると自然に下降する可能性は1%未満です。したがって、この場合、陰嚢内に精巣を下降させて固定する手術が推奨されます。
停留精巣の具体的な症状は何ですか?
停留精巣がある場合、陰嚢内で精巣が触れないことが最も典型的な症状です。このような場合、腹部や鼠径部、陰嚢の前方など、他の部位で下降しなかった精巣が硬い塊として触れることがあります。
腹腔の奥深くにある場合、他の部位でも触れないことがあります。
- 停留精巣:精巣が停止した位置に応じて、腹腔内、鼠径部内、鼠径部外、精巣が下降する経路から外れた異所性などに分類
- 滑り精巣:精巣が陰嚢の高い位置にあり、引っ張ると正常な位置まで下降するが、放すとすぐに元の位置に戻る場合
- 退縮精巣:精巣が正常より高い位置にあり、引っ張ると簡単に正常位置に降りて陰嚢内にある程度収まる場合
停留精巣の治療法について教えてください。
停留精巣の治療の目的は、
適切な時期に精巣を陰嚢に下降させ、精巣の機能が損なわれないようにすること
です。手術の時期は、通常、精巣が自然に下降する生後3ヶ月以降から1歳までが適しています。
- 精巣固定術:精巣の下降を妨げる周囲組織を除去し、精巣を陰嚢に固定する手術
- 腹腔鏡手術:精巣が触れない場合、診断または診断と治療を兼ねて腹腔鏡手術を実施
- 精巣摘出術:思春期以降で反対側の精巣が陰嚢内に正常に存在する場合、停留精巣が解剖学的・形態学的に異常を示すか、精索が短く陰嚢への下降が不可能な場合に実施
- ホルモン療法:男性ホルモンの分泌を刺激するホルモンを投与して精巣の下降を促進。成功率は20%未満と低い。
停留精巣は治療しないとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。精巣の組織学的変性により不妊症になる可能性があるため、遅くとも2歳までに治療することが推奨されます。
また、
停留精巣のある人は精巣がんの発症リスクが通常の40倍程度高いとされています。
精巣がんの約10%は停留精巣のある人に発生すると言われているため、合併症を防ぐために手術が必要となる場合があります。さらに、ヘルニアや精巣捻転を伴うこともあります。
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