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授乳期に注意すべき『乳腺炎』の症状とは?治療方法についても解説

母乳育児中に起こりやすい『乳腺炎(乳房炎)』について詳しく解説

乳腺炎とは?

乳腺炎は、乳腺組織に起こる急性の感染症を指します。

授乳期乳腺炎と非授乳期乳腺炎に大別できます。18〜55歳の女性であれば誰にでも発生する可能性があり、一般的には出産後に母乳を与えている授乳期の女性に多く見られます。

1. 授乳期乳腺炎

授乳期乳腺炎は、産褥期と授乳期に発生し、細菌などが乳管を通って乳汁などで栄養豊富な乳葉組織に炎症を引き起こすものです。母乳を与えている女性の30%が乳腺炎を経験し、出産後3ヶ月以内に最も多く発生します。

2. 非授乳期乳腺炎

非授乳期乳腺炎はまれに発生し、乳葉組織よりも乳管組織、特に乳輪下の乳管組織の拡張部位に老廃物などが溜まり炎症を引き起こします。

乳腺炎の症状

乳腺炎の原因は?

乳腺炎を引き起こす最も一般的な原因菌は黄色ブドウ球菌で、

感染は以下の場合に発生することがあります。

  • 乳頭や乳輪に裂傷やびらんがあり、皮下組織のリンパ管に菌が侵入した場合
  • 乳管が詰まって鬱血がある場合
  • 授乳時に赤ちゃんの喉に存在する病原菌が裂傷した乳頭の皮膚に侵入した場合
  • 赤ちゃんに頻繁に授乳しなかった場合
  • 貧血、ストレス、疲労などで免疫力が低下している場合

乳腺炎の症状は?

乳腺炎になると、乳房の痛みとともに38.5℃以上の高熱が出ます。

全身が痛み、風邪をひいたように体がだるく、寒気を感じることもあります。乳腺炎が生じた部分はくさび形に赤くなり、熱感があり、腫れたり、刺すような痛みを感じることもあります。乳房内部にしこりができて痛みが生じ、腋下のリンパ節が腫れることもあります。通常、片方の乳房にのみ症状が現れます。

  • 乳房の痛み
  • 高熱と寒気
  • 風邪のような全身の痛み
  • 症状部位が赤くなり、熱感があり、痛みがある
  • 乳房内部にしこり
  • リンパ節の腫れ
  • 通常片方の乳房にのみ発生

乳腺炎の診断方法は?

マンモグラフィーと乳房超音波検査を行い、必要に応じて乳管造影検査なども行います。

膿瘍が形成されている場合や、再発性の炎症があった場合には、炎症性乳癌との鑑別のために組織検査を行うこともあります。

乳腺炎の治療

乳腺炎の治療法は?

乳腺炎が軽度であったり、乳腺炎が発生してから1日以内の場合には、母乳を与え、十分な休息をとり、温湿布を行うことで改善することもあります。

乳房が腫れ痛む場合には、温湿布または冷湿布のうち、快適に感じる方を使用してください。授乳前に15〜20分程度温湿布を使用すると、痛みが軽減され、乳汁が出やすくなります。

母乳は2時間ごとに授乳するのが良いです。

授乳を中止すると治癒が遅れるだけでなく、乳房膿瘍に発展する可能性もあります。治療が必要な場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤を服用します。抗生物質は通常10〜14日間使用します。赤ちゃんが生後1ヶ月以上であれば、アンピシリンやエリスロマイシンも使用可能です。抗生物質を使用して治療すると、通常1〜2日以内に症状が改善し始め、1週間程度で腫れが引き、赤くなった部分も改善されます。しかし、完治したように見えても、抗生物質を十分な期間服用しないと乳腺炎が再発することがあります。

乳腺炎の注意点は?

まれに両方の乳房に同時に乳腺炎が現れる場合があり、

その場合、赤ちゃんから感染したβ(ベータ)-溶連菌による感染症である可能性があるため、早めに専門医を受診し、赤ちゃんと一緒に治療を受けることをお勧めします。

乳腺炎の予防法は?

乳腺炎を予防するためには、授乳時に手を清潔にし、乳頭を清潔に保つ必要があります。

長時間乳汁を搾らずにいると乳腺炎が生じることがあるため、乳汁が内部に溜まらないように定期的に搾るのが良いでしょう。また、乳頭の皮膚が剥がれたり割れたりすると感染する可能性があるため、早めに治療することで乳腺炎を予防することができます。

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