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突然、下腹部に痛みを感じる場合「憩室炎」の可能性があります。

大腸のポケットに便が溜まる「憩室炎」、症状や原因、診断、治療法、合併症について徹底解説。

2024-07-29

突然、下腹部に痛みを感じる場合「憩室炎」の可能性があります。

憩室炎とは?

憩室とは、食道、胃、大腸のような管状の器官で、壁の一部が外側に膨らんだ袋状の構造を指します。憩室炎は主に大腸で発生し、特に右側結腸でよく見られます。大腸にできた憩室は、腸壁にできたくぼみと見なすことができます。この憩室に老廃物が入り込み炎症が生じるか、憩室が他の臓器を圧迫して症状を引き起こすことで憩室炎が発生します。憩室があっても特に問題を引き起こさない状態は憩室症と呼ばれます。

憩室炎の原因

憩室疾患は年齢とともに大腸の動脈硬化が進行し、弾力性が低下し、血管と腸管の筋肉の間に隙間ができ、その隙間が次第に広がることで発生します。 便秘などで大腸が過度に収縮すると、大腸内の圧力が増加し、大腸壁の弱い部分が袋状に膨らんで憩室が生じることがあります。また、腸粘膜が脱出して憩室が形成される場合もあります。

憩室炎は若年層よりも50歳以上の成人に主に見られます。 食物繊維の摂取が少なかったり、赤身肉の摂取量が多い方や、身体活動量が少なく喫煙をしている場合、憩室炎の発症リスクが高まると言われています。

憩室炎の症状

憩室炎の症状は通常、下腹部に刺すような痛みが現れます。 右側大腸に憩室炎がある場合は右側腹部に痛みが、左側大腸に憩室炎がある場合は左側腹部に痛みを感じます。このほかに、下痢、吐き気、腹部膨満、消化不良、発熱、寒気などの症状が現れ、炎症の程度によって症状が重くなります。

憩室炎

憩室炎の診断

憩室炎はCT撮影を通して診断します。 発熱と腹痛がある患者に対してCT撮影を行うことで、炎症の所見を確認できます。また、患者の症状、発熱、および血液検査で白血球数が上昇している場合や、他の炎症マーカーが上昇している場合、これらを総合して憩室炎と診断することができます。

憩室炎の治療

憩室炎の治療は感染と炎症をコントロールするために数日間の抗生物質治療を行います。 また、安静、絶食、軽い食事を通じて腸を休ませます。薬物治療を行うと、炎症の約70%が回復することが知られています。しかし、非手術的治療で回復しても、少なくとも30%は5年以内に再発する可能性があります。さらに、再発する場合の約70%には合併症が生じるため、再発を減らすためには回復後の継続的な管理と食物繊維の摂取が重要です。

憩室炎の症状が重い場合や、内科的治療に効果がない場合、憩室炎による合併症として膿瘍、穿孔、腹膜炎、瘻孔、大量出血などが発生する場合には選択的に切除術を行うことがあります。重度の合併症が生じると人工肛門を作らなければならないため、左側憩室炎の場合は早期に手術を行うこともあります。

憩室炎の合併症

憩室炎は感染症でもなく、がんに進行する疾患でもありませんが、合併症が重篤化すると生命を脅かす可能性があります。 重度の炎症によって出血や閉塞、膿瘍、穿孔が生じることがあり、これは腹膜炎に進行する可能性があるため注意が必要です。こうした合併症が伴う場合は、大腸憩室炎患者の約25%に達します。

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