麻疹(はしか)とは?
麻疹は全世界に広がる急性発疹性ウイルス疾患で、以前は小児にとって生命を脅かす病気でしたが、ワクチンの開発後、発生が著しく減少しました。
最近国内で報告される患者はほとんどが海外で感染した事例です。
海外旅行時に注意すべき麻疹の症状と予防接種について、わかりやすく説明します。
麻疹とは?
麻疹は麻疹ウイルスによる感染で発生し、感染力が強く、感受性のある接触者の90%以上が発病する疾患です。
発熱、鼻水、結膜炎、紅斑性斑点が複合的に現れ、疾病特有の粘膜に生じる発疹が特徴です。一度かかって回復すると、生涯免疫を獲得し、再びかかることはありません。
麻疹の感染経路は?
麻疹ウイルスは飛沫、血液、尿などに存在するため、
麻疹患者との直接接触、または汚染された物に触れることや呼吸器を通じた飛沫感染によって広がります。
麻疹の症状は?
疾病管理庁によると、麻疹の潜伏期間は一般的に7〜21日で、典型的な麻疹の症状は前駆期、発疹期、回復期の3段階に分かれます。
麻疹予防接種が導入されて以降、以下のような典型的な麻疹以外にも比較的症状が軽い、または非典型的な臨床経過をたどる麻疹が発生することがあります。このような場合、コプリック斑はほとんど現れず、症状が軽い場合は発疹もまれにしか現れないため、注意が必要です。
1. 前駆期
感染力が最も強い前駆期は、発熱、咳、鼻水、結膜炎の症状が現れ、3〜5日間続きます。
前駆期の後半には、口腔粘膜に灰白色の砂粒大の斑点が現れることがあり、これを「コプリック斑」と呼びます。コプリック斑は12〜18時間以内に消え、1〜2日後には発疹が現れます。
2. 発疹期
発疹期には、ピンク色の小さくて皮膚が少し盛り上がった丘疹性の発疹が額や頬の後ろから現れ始めます。
最初の24時間以内に顔、首、腕、上半身に、2日目には太ももに、3日目には足まで広がり、発疹が現れた順に消えていきます。
発疹がひどくなるにつれて、咳、鼻水、発熱も一緒にひどくなり、発疹が現れてから2〜3日目に症状が最も重くなります。この時期には40度以上の高熱が出ることもありますが、24〜36時間以内に熱は下がり、咳も減ります。
3. 回復期
回復期に入ると、発疹は消えて茶色っぽくなり、皮膚が剥がれ落ちますが、7〜10日以内に消えます。手足は剥がれません。
この時期には気管支炎、細気管支炎、気管支肺炎、中耳炎などの呼吸器合併症が発生しやすく、脳炎、ギラン・バレー症候群などの神経系合併症がまれに発生することもあります。
麻疹の治療法は?
麻疹に特別な治療法はありません。
大多数の患者は自然治癒するため、咳や高熱に対する対症療法を行います。
麻疹の予防接種は?
MRワクチンによる予防接種が可能で、すべての乳幼児が接種対象となります。
1歳以上2歳未満および5〜7歳で麻疹予防接種を実施し、予防接種を受けていない小児が麻疹患者と接触した場合、子どもの年齢や免疫状態に応じて免疫グロブリンを投与するか、ワクチンを接種する必要があります。
麻疹予防接種の副作用は?
予防接種後に生じる可能性のある異常反応はまれで、ほとんどが軽度です。
接種後1〜2週間以内に発熱がよく見られ、そのほか約5%で皮膚発疹が現れることもあります。
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