若い女性に多い乳房の『線維腺腫』の症状と区別方法、治療法は？

胸にしこりがある場合「線維腺腫」を疑うことができます。若い女性に見られる一般的な乳房疾患ですが、他の疾患との鑑別が非常に重要です。今回は、線維腺腫の症状、原因、区別法、治療について詳しく解説していきます。

線維腺腫は、乳房に生じる最も一般的な疾患で、線維組織と乳腺上皮組織が異常に増殖し、ゆっくりと成長する良性腫瘍を指します。

ここでいう良性腫瘍とは、がんを意味する悪性腫瘍とは反対のもので、一般的に体内に生じるしこりの中でがんではないものを指します。線維腺腫は若い女性、特に20～30代の若い女性によく発生します。

線維腺腫の0.9%が悪性腫瘍であることが確認されており、主に発生する部位は乳房の外側上部で、対象者の10～15%程度には複数の腫瘍が発見されています。

線維腺腫がどのような理由で発生するかは正確には明らかになっていません。

ただし、女性ホルモンの過剰な刺激により、乳腺の下部が増殖し、他の乳房組織を変形させて発生すると推測されています。

線維腺腫の特徴的な症状

は、周囲の組織との境界がはっきりしており、触るとよく動きます。直径が1～2cm程度で、丸くて硬いゴムのような感触があることです。痛みがない場合もありますが、月経前に乳房の痛みが強くなることもあります。また、乳頭から分泌物が出ることもあります。

胸にしこりが触れた場合、乳腺外科を受診し、乳腺外科専門医の診察が必要です。

その後、問診と身体検査の結果に応じて、マンモグラフィーや乳房超音波検査を行うことがあります。画像に映る形状や大きさに基づいて、組織検査が必要かどうかを判断します。

線維腺腫の場合、組織検査だけでは葉状腫瘍との鑑別が難しいことがあるため、

病変の大きさや形状、成長速度などを考慮し、葉状腫瘍が疑われる場合には手術による切除が必要です。葉状腫瘍は、臨床的な特徴が線維腺腫と似ていますが、4～5cm以上に成長したり、悪性腫瘍のように体内の他の部位に転移することもあるため、必ず鑑別する必要があります。

ほとんどの線維腺腫は1～2cm以内で成長が止まるため、定期的な超音波検査で経過観察を行うことが一般的です。

ただし、非常に大きくなったり、短期間で急激に成長する場合は、葉状腫瘍との鑑別が必要で、手術による切除が必要です。また、葉状腫瘍が疑われなくても、強い痛みを伴う場合や皮膚の上に突出する場合は、切除を考慮することもあります。このような場合には、手術による切除を行うことが一般的ですが、小さな場合には真空補助吸引による乳房生検を行うこともできます。

乳がんの場合、進行すると乳房の皮膚や形状の変化、血性乳頭分泌、乳頭陥没、湿疹などの症状が現れることがありますが、初期には症状がないことが多いです。

乳がんは家族歴がある場合や、出産経験がない、初産が遅かった場合、早い初潮、遅い閉経、閉経後に女性ホルモンを長期的に投与されている場合、または肥満や過度の飲酒をしている女性に発生リスクが高まります。これらのリスク要因を持つ女性がしこりを感じた場合は、すぐに専門医のもとで精密な診察が必要です。

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