毛巣洞とは?
毛巣洞とは、毛が皮膚に入り込んで発生する炎症性疾患
で、主に尾骨周辺、脇の下、鼠径部などに発生します。毛が皮膚内に入り込むと炎症が起こりやすくなり、炎症が繰り返されると皮膚の下に1~3mm程度の洞窟のような空間が作られ、これを「毛巣洞」と呼びます。毛巣洞は毛が多く、皮脂分泌が活発で、テストステロンが多く分泌される人ほど発生しやすいため、
主に20~30代の男性に多く見られます。
毛巣嚢や毛巣疾患とも呼ばれます。
毛巣洞の原因は?
原因は明確ではありませんが、
先天的な要因
と
後天的な要因
に分けられます。
1. 先天的要因
臀部の隙間には胎生期の表皮残留物によって先天的な管が存在し、この管に炎症が起こり、合併症として毛巣洞が発生するとされています。
2. 後天的要因
後天的な要因としては、持続的な刺激、熱、発汗、摩擦などによって毛が皮膚内に入り込み形成されるとされています。現在では、この後天的な要因が主な原因と見なされており、毛巣洞は運転の有無、個人の衛生状態、肥満と関係があるとされています。
毛巣洞の症状は?
毛巣洞の初期には特に症状がない場合が多く、尾骨近くの皮膚に凹みが見られることがあります。
しかし、炎症が発生すると椅子に長時間座っていたり、運動後に痛みを訴えることが多いです。全身症状が伴うことは稀ですが、微熱、倦怠感が現れることもあります。毛巣洞の膿瘍は大半が中央ではなく外側にずれて発生し、中央線上に開いた穴や小さな凹みが観察されることがあります。
肛門から約3.5~5cm離れた尾骨部分の中央線上に一つ以上の小さな病変が観察され、炎症性嚢胞は分泌物とともに痛みを伴い、時折出血が見られることもあります。50%程度は毛髪が見られ、残りのケースでは毛嚢が感染して破裂した角質で満たされている場合もあります。
毛巣洞の診断と治療法は?
肛門近くに繰り返し発生する痛みを伴う膿瘍が発生した場合、毛巣洞と診断されることがあり、組織検査を通じて診断することもできます。
病変の組織検査で確定診断ができ、感染が伴う場合は病変の分泌物から細菌培養を行い、感染の原因菌種を確認します。部位の特性上、痔瘻、化膿性汗腺炎(汗腺に発生する慢性再発性炎症)、単純皮膚膿瘍などと鑑別する必要がある場合もあります。
治療の原則は広範囲な切除を伴う方法が必須です。すべての炎症性組織と毛巣洞または毛巣瘤を完全に除去した後、皮膚欠損部位を縫合する方法で再発率と合併症を低減できます。一般的に感染が伴わない場合には抗生物質は不要です。
毛巣洞がある場合、必ず手術を受ける必要がありますか?
毛巣洞という疾患は感染がない場合、日常生活に支障はありません。
炎症が発生すると紅斑、浮腫、痛みなどが伴うため、この時には炎症を抑えるための抗生物質治療と温水での座浴を行うことで、痛みを和らげることができ、切開排膿の必要性を減らすこともできます。しかし、膿瘍を形成する場合には切開排膿が必要です。毛巣洞は40歳以降には再発することが少ないため、40歳以降の患者には急性炎症の合併症による膿瘍の場合を除いて、保存的治療と追跡検査だけ行うこともありますが、思春期以降から40歳以下の患者には手術を考慮する必要があります。
毛巣洞の予防法は?
毛巣洞の予防には個人の衛生が最も重要です。
毎日入浴やシャワーをして該当部位を清潔に保つ必要があります。この疾患の発生には摩擦や熱が関連しているため、長時間の運転などは避けることが望ましいです。また、肥満が関連していると報告されているため、適正体重を維持することが推奨され、あまりにもきつい服は避けるようにしましょう。
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