アファンタジアとは何ですか?
アファンタジアとは「想像する能力を失う状態」を意味します。
「視覚失認(visual agnosia)」とも呼ばれ、先天的または後天的な理由により
物体を見てその特徴を頭の中でイメージとして想像したり再現することができない症状
が現れます。
このアファンタジアは、1880年にイギリスの人類学者で心理学者でもあるフランシス・ガルトンによって初めて発見されました。その後、イギリスのエクセター大学医学校の神経科専門医であるアダム・ゼマン教授がアファンタジアの症状がある患者を初めて発見し、本格的な研究が始まったといいます。
「アファンタジア」という名前は、アリストテレスが心の中で想像し思い浮かべることを「ファンタジア」と呼んだことに由来しています。
アファンタジアの症状は?
一般の人々は、物体を目で見ずに想像だけでイメージを再現することができますが、
アファンタジアがあると頭の中でイメージを描くことができません。
そのため、有名な芸能人の名前を聞いても顔を想像することができず、見たことのある物体であっても後で頭の中でそのイメージを再現できません。
視覚的に物体を認識し、形や色について答えることはできますが、それを
頭の中で具象化することができない
ことを意味します。例えば、自分の家の窓をイメージすることはできませんが、窓がいくつあるかは知っているといった具合です。
しかし、アファンタジアは
記憶を「イメージ化」するのが難しいだけで、想像したり回想することは可能です。
想像は外部の刺激なしに記憶した考えや経験していない状況や対象について思い浮かべることであり、回想は広義の想像に含まれるからです。
アファンタジアと相貌失認は同じですか?
アファンタジアと相貌失認は異なる状態です。
アファンタジアは、写真を見たり目の前にいる対象を見てその人を認識することには問題ありません。しかし、
相貌失認の場合は視力障害や視覚障害がないにもかかわらず人の顔自体を認識できない症状
が現れます。
相貌失認は、顔の認識を担当する下部後頭側頭葉が損傷されることで発生し、ほとんどが脳梗塞や認知症などの退行性脳疾患によって生じます。
アファンタジアの原因は何ですか?
アファンタジアという疾患が知られ始めてめてからまだ日が浅いため、現在も研究が進められています。これまでの研究によると、
アファンタジアの正確な原因は明らかにされていません。
アダム・ゼマン教授によると、以下の原因がアファンタジアの原因として推測されています。
- 視覚化を担当する脳領域が一般の人と異なる機能を持つ場合
- 視覚化を担当する脳領域が損傷された場合に症状が現れる
- 精神的な問題、心理的な理由など
アファンタジアの人は絵を描くことができないのですか?
アファンタジアは視覚や思考の問題がないため、絵を描くことに問題はありません。
特に見ている物体を絵にすることは問題なく、物体を想像しながら描くことも問題ない可能性が非常に高いです。
例えば、リンゴを描くときに必ずしもリンゴのイメージを思い浮かべる必要はなく、「丸くて」「リンゴの茎がある」といった特徴をテキスト形式で思い浮かべながら描くことができるためです。
アファンタジアの治療は可能ですか?
アファンタジアは依然として研究が必要な分野です。この状態は患者の主観的な証言に依存するため診断も非常に難しく、治療に関する研究も現実的に困難な状況です。そのため、
アファンタジアの経過を観察する信頼できるツールが不足している現時点では具体的な治療法を述べるのは難しいのが現状です。
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