統合失調症、パニック障害、うつ病などの精神疾患は、早期発見と治療が重要ですが、一般的な疾患とは異なり情報が少ない上、「精神が弱いから精神病になる」という偏見から病院へ行かず、病気が進行してしまう場合も多くあります。特に統合失調症は、早期診断と治療が完治の成否を左右する疾患です。今回は統合失調症の症状、原因、治療法について詳しく説明します。もし、「自分や、周囲の人が統合失調症かも」と思うことがあれば、すぐに病院にかかりましょう。
統合失調症とは?
2002年に「精神分裂病」という病名が社会的な違和感や拒否感を引き起こすという理由で、「統合失調症」と改名されました。「統合失調症」という言葉は、弦楽器の弦を調整することを意味し、
統合失調症患者の様子が、弦楽器が正常に調律されていない時の様子に似ていること
に由来しています。
統合失調症は主に
10代後半から20代に発症し、慢性的な経過をたどる精神的に混乱した状態、現実と非現実を区別する能力が低下する脳の病気
です。この疾患は100人に1人がかかる一般的な病気で、すべての人々がかかりうるものです。
統合失調症の原因は?
統合失調症の原因はまだ明確には解明されておらず、一般的には脳の異常によって発生する生物学的疾患とされています。生物学的な原因として、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが過剰に分泌されることが統合失調症の発生につながるという仮説が有力ですが、なぜこのような物質の異常が起こるのかはまだ正確にはわかっていません。
ただし、統合失調症の原因として
一般的に言われている「弱い精神力、親の誤った養育、悪霊や幽霊」のせいで発病するのではない
ということは確かです。
統合失調症の症状は?
統合失調症の発症は徐々に進行します。主な症状は
幻聴、妄想、異常行動、支離滅裂な発言
などです。感情が乏しくなり、話すことが少なくなったり、興味や意欲がなくなったり、対人関係がなくなるなどの症状も見られます。
誰かが話しかける声が絶えず聞こえたり、実際には存在しない対象が見える幻覚や幻聴が一般的な症状
です。統合失調症の患者ははじめのうちは、これらの症状に驚いたり戸惑ったりしますが、時間が経つにつれて幻覚現象を事実として受け入れるようになります。
以下の12の症状が統合失調症の症状に該当します。
- 人と付き合いたがらず、一人でいることを好む
- 話すことが少なくなり、話さなくなる
- 顔の表情がなくなり、感情が鈍くなる
- 明確な理由なく学校の成績や仕事の効率が低下する
- 一人で何もないのに笑ったり、独り言をつぶやく
- ぼんやりと空想にふける
- 冗談を受け流せず、怒りやすくなる
- 他人が自分をからかったり、悪口を言っていると言い出す
- 自分を批判する声や命令する声が聞こえると言う
- 誰かが自分を傷つけようとしている、監視されていると緊張する
- 周囲を警戒し、疑い、暴力的な行動をすることがある
- 理由なく学校に行かなくなったり、職場を辞める
統合失調症の治療法は?完治は可能ですか?
統合失調症は早期に発見して治療を受けることで比較的完治の可能性が高くなります。特に
発病初期の青年期に治療を受けると安定した成人に成長することができる
と言われています。しかし残念ながら、統合失調症患者の52%は診断後最初の6ヶ月間に定期的な治療を受けず、多くの患者が症状を放置してしまっています。
統合失調症の治療は主に薬物療法と精神療法に分かれます。急性期には薬物療法が最も重要で、これによって症状の大部分を改善することができます。薬物療法はストレスに敏感な統合失調症患者をストレスの影響から保護する働きがあり、再発防止にも重要な役割を果たします。統合失調症の治療に使用される薬物は抗精神病薬で、依存性はなく、70〜80%の患者に効果があるとされています。
また、薬物療法だけでなく
個別の精神療法、家族療法、集団精神療法、地域社会のリハビリプログラム、入院治療など多角的な治療
を受けることで、経過がより良好になる可能性があります。
オンラインで診察をうけよう
忙しい日常の中、病院にいく時間がないあなたに。オンライン診療アプリ
「ドクターナウ」
で検索。
専門の医療スタッフがいつでも皆さんを待っています。
「医療をスマートにドクターナウ」
- ドクターナウは特定の薬品の推薦および勧誘を目的としてコンテンツを制作していません。ドクターナウ会員の健康な生活をサポートすることを主な目的としています。
- コンテンツの内容は、ドクターナウ内の医師および看護師の医学的知識を参考にしています。
統合失調症
統合失調症の症状
統合失調症の原因
統合失調症とは
統合失調症の治療
うつ病