白皮症とは?
白皮症とは、メラニン細胞でのメラニン合成が欠乏する先天性遺伝疾患
です。先天性色素欠乏症とも呼ばれ、皮膚や毛髪、目に症状が現れる
眼皮膚白皮症
と、目にのみ症状が現れる
眼白皮症
に分けられます。
眼皮膚白皮症は、変異が起きた遺伝子に応じて1型から4型に分類され、血液学的または免疫学的異常を伴う特定の症候群も眼皮膚白皮症を伴うことがあります。
白皮症の原因は?
白皮症は常染色体優性、常染色体劣性、X染色体に関連する多様な遺伝形式を示します。
メラニンは、メラノソーム内でチロシンからメラニン細胞によって合成される色素ですが、チロシンが不足することでメラニン色素が体内で生産されず、白皮症が発生することがあります。
白皮症の症状は?
眼皮膚白皮症は、先天的に皮膚、毛髪、目の色素が減少または消失し、その程度は患者の体質や白皮症のタイプによって異なります。
毛髪は全く色素がなく白髪として残る場合から、成長に伴って多少の色素が現れる場合、ほぼ正常に見える濃い茶色の毛髪が見られる場合までさまざまです。皮膚の色もピンク色、薄い白色、赤褐色など様々に現れます。
目では、網膜の色素消失により瞳孔が赤く見える赤色瞳孔が現れ、虹彩は青灰色、茶色、赤褐色などに見えます。多くの場合、まぶしさを訴え、その他に眼振(無意識に起こるリズミカルな眼球運動)、流涙症(涙が多く出る)、視力の著しい低下などの症状が見られることがあります。
眼白皮症の場合、
皮膚や毛髪に症状が現れず、目にのみ症状が現れます。
白皮症の診断方法は?
白皮症を診断するためには、皮膚、毛髪、目の外観を観察し、
遺伝子検査を行い、遺伝子の変異を確認します。網膜と視神経の発達程度を検査し、視力を測定して診断します。
白皮症の治療法は?
遺伝性代謝障害に対する明確な治療法はありません。
ただし、皮膚を保護するために日光を避けることが重要です。特に、日光が強い熱帯地域ではサングラス、長袖の服やズボン、日焼け止めが役立ちます。視力を矯正するためには眼鏡や、斜視を矯正するための手術が行われます。
患者と家族のために遺伝カウンセリングを行うことが助けになります。追加の治療としては、症状の緩和を目指す対症療法と、さまざまな副作用や合併症を調整し、緩和するための支持療法があります。
白皮症の注意点は?
皮膚を保護するメラニンが欠乏しているため、紫外線に対する防御機能が低下します。
そのため、日焼けをしやすく、長時間の日光浴によって光線角化症(皮膚がざらざらし、角質ができる病気)、光線唇炎、皮膚角、扁平上皮癌、基底細胞癌などが発生しやすくなるため注意が必要です。
Q. 白皮症と白斑症は同じ病気ですか?
二つは異なる病気です。
白皮症患者は生まれたときからメラニンがありませんが、白斑症は後天的にメラニン細胞がなくなり、ある日突然皮膚に白い斑点が現れる病気です。白斑症の白い斑点が広がっても白皮症にはなりません。
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