指の関節がこわばって痛みを感じたり、ぶつけるだけで鋭い痛みが走る場合、その原因となる疾患はさまざまです。
指の関節痛を引き起こす可能性のある4つの疾患と簡単な治療法についてご紹介します。
指の関節痛を引き起こす4つの疾患
1. リウマチ性関節炎
リウマチ性関節炎は、手や手首、足や足首などの複数の関節に炎症が現れる慢性炎症性疾患です。
正確な原因はまだ明らかにされていませんが、免疫系の異常によって自分の体を攻撃する自己免疫現象が主な原因とされています。その他にも、遺伝的な要因や細菌・ウイルス感染などが原因となることがあります。
リウマチ性関節炎は指の中間関節や指の付け根の関節を侵しやすく、指の末端関節は侵されにくい傾向があります。
侵された関節は触れると痛みがあり、動きが制限され、手のひらに紅斑が現れることもあります。拳をしっかり握れない場合も多く、これらの症状は診断だけでなく疾患の活動度を把握するのにも役立ちます。リウマチ性関節炎は休息だけでは改善しないため、ステロイドホルモンや抗リウマチ薬、生物学的製剤などを用いた治療が必要です。
2. 変形性関節症
変形性関節症は指の関節の過剰な使用によって軟骨に炎症が生じるもので、指の末端関節が太くなり突出する特徴を示します。
指の痛みで病院を訪れる患者に最も多く見られる疾患で、特に手を多く使う人ほど発症しやすいです。指の末端関節にヘバーデン結節と呼ばれる骨の隆起が形成されることもあり、治療には温かく溶かしたパラフィン(固体ワックス)や鎮痛抗炎症薬が使用されます。
3. 痛風
痛風でも指の痛みが生じることがあります。
痛風は尿酸が尿として排出されずに関節に蓄積し、腫れや痛みを引き起こす疾患で、指が突然腫れ、熱を感じます。また、激しい痛みを伴ったり、関節が不規則に変形することもあります。継続的な薬物治療が必要で、牛肉や羊肉、ビールなど尿酸の合成を増加させる食べ物を避ける必要があります。
4. トリガーフィンガー
トリガーフィンガーとは、指を曲げるための腱に結節が生じる疾患です。
変形性関節症と同様に手の過剰な使用が原因で、軟骨ではなく腱に負担がかかるとトリガーフィンガーになります。指を動かす際にトリガーの引き金を引くような「カチッ」という音と痛みを伴います。温湿布や休息、抗炎症鎮痛薬の服用で症状が緩和されることがありますが、指を動かすのが難しいほど症状が重い場合には手術が必要になることがあります。
正確な診断のためには整形外科の受診を強くおすすめします。
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