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血中の脂質が増える「脂質異常症」の治療法、症状、原因、診断基準について詳しく解説します

脂質異常症の症状、診断基準、原因、治療法、合併症についてご説明します

2024-08-01

血中の脂質が増える「脂質異常症」の治療法、症状、原因、診断基準について詳しく解説します

脂質異常症とは?

私たちの体には、炭水化物、脂肪、タンパク質という3大栄養素があります。脂質はこの脂肪に相当する成分で、生命維持に欠かせない栄養素です。血液中にはさまざまな形で脂質が溶け込んでおり、血中の脂質値が正常範囲を超えると、脂質異常症と呼ばれます。

脂質異常症と高脂血症の違い

血中の総コレステロールや悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い場合を高コレステロール血症、トリグリセリド(中性脂肪)が高い場合を高トリグリセリド血症と呼びます。これらの2つを合わせて高脂血症と呼びます。良いコレステロールであるHDLコレステロールが低い場合も脂質代謝に異常が生じるため、これらすべての状態を総じて脂質異常症と呼びます。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症を診断するには、空腹時に血液検査を行う必要があります。 2回以上の測定のうち、いずれかが基準値を超えている場合に脂質異常症と見なします。 ただし、この基準値は心筋梗塞や脳卒中のリスク因子がない人々の目標値であり、心疾患がある場合やリスク因子がある場合の正常範囲は異なることがあります。

  • 総コレステロール 200mg/dL 以上
  • LDLコレステロール 130mg/dL 以上
  • HDLコレステロール 40mg/dL 以下
  • トリグリセリド 150mg/dL 以上

脂質異常症

脂質異常症の原因

脂質異常症の原因は大きく分けて一次性と二次性に分けられます。 一次性は脂肪中心の食生活、運動不足、遺伝的要因などによって発生する原発性高脂血症を指し、二次性は甲状腺機能低下症、慢性肝疾患などの基礎疾患、妊娠、薬物の服用などによって発生する高脂血症を指します。

脂質異常症の症状

家族性高コレステロール血症や家族性高トリグリセリド血症など遺伝的要因によって脂質異常症が発生すると、黄色腫、黄色斑、肝肥大、腎肥大などが現れることがあります。しかし、一般的な脂質異常症は通常無症状で、血液検査によって発見されます。

脂質異常症の治療

脂質異常症の治療 脂質異常症の治療法は2つあります。 まず1つ目は生活習慣を改善することです。飲酒している場合は、酒を減らすか禁酒することが推奨されます。また、飽和脂肪やトランス脂肪、炭水化物の摂取を避け、食物繊維が豊富な野菜の摂取を増やすことが大切です。身体活動を増やし、体重を減らすことも重要です。しかし、コレステロールは外部から摂取するよりも肝臓で生成される量が多いため、生活習慣を改善してもコレステロール値が下がりにくい人もいます。

遺伝的脂質異常症や生活習慣を改善しても脂質異常症が改善されない場合、LDLコレステロールの濃度が高い場合、またはすでに他の心血管疾患がある場合は、 薬物療法 が必要です。医師の処方に従い、コレステロールの合成や吸収を抑える薬を処方してもらいます。

脂質異常症の合併症

脂質異常症は初期にほとんど症状がないため、管理しないと 高血圧や動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中など心血管系疾患に発展する可能性があります。脂質異常症がある人が喫煙すると心血管疾患のリスクがさらに高まるため、生活習慣の改善とともに禁煙することが推奨されます。

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